そそふぁいとスピッツのはなし

スピッツ4年生が死んじゃったんですよ(オタク的な意味で)

映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』の感想文

映画館で映画を観終えた後、
私の行動は3つに分類される


①「楽しかったor面白かった」と思いながら映画館を出る
②ウワアアアアアアアアアアアア!!!!!!!と正気を失いながら2回目のチケットを買い映画館に戻る
③「私には合わなかったな…」と思いながら映画館を出る

 


今回
岸辺露伴 ルーヴルへ行く」を観終えた私の行動は

 

 


④2回目観たい。だが、このまま2回目を観に行ったら命が尽きてしまうくらいには体力がない。どうせならもっと良い設備の映画館で観たい。
なので、帰る。

 


です

 

 

 


ほんっっっっっっっっっっっっとうに
よかった────

 

 

 


映画観る前は「し、信じてるぞ……高橋一生、飯豊まりえ、長尾謙杜、木村文乃小林靖子、渡辺一貴……信じてるからな……」とか言ってたのに、映画観た後は「信じてよかった……………………………………………」って言ってた


今思えば物凄く気を張ってたんだと思う
張り詰めすぎてそれがようやくフッと緩んだ感じ


元々私って邦画というジャンルに対する期待値をかなり低く設定してて、かつ年間で観る映画の中身をざっくり分けると洋画5割、アニメ4割、残りの1割が邦画って感じなんですよね。
しかもその1割の中でもかなり偏った見方をしてるので触れてない邦画の方が多いこと多いこと。
なので、邦画を観に行くというよりも「この"信頼のおける人たち"が作った映画作品を観に行く」って気持ちなんですよ。
(実は「シン・仮面ライダー」もそんな気持ちで観に行った。「前2作品の面白さを知ってる。その面白さを信じて仮面ライダーのやつも観に行く」「庵野監督には個人的にその恩があるんでね…」みたいな感じ)


なので
映画、どういうふうにやるんだろ
あのシーンはやるんだろうか
あのシーンってどう表現するんだろう
というか内容的に少しボリューム増やさないと尺が余るんじゃなかろうか
そもそもこの人達はどういう役者さんたちなんだろう(どう演じてくれるんだろうの意)(露伴と泉以外の役者は詳しく知らない人だったもんで)
私はこの人たちを信じていいんだろうか
信じる他ないんだけどさ
大丈夫だって
メインの二人は続投だし
監督も脚本もドラマから携わってくれてる人達だし
だから大丈夫だって


私が大事にしているものをちゃんともっと良いものとして昇華してくれるはず

 

 

 

 


まずね、初っ端に漫画家という職業と自分自身を暗に貶されたことにブチギレてお約束の《ヘブンズ・ドアー》からの「これは、僕に備わった能力……」って自己紹介が始まって、すごく安心したんだよな。
この数分で、岸辺露伴の性格・こだわり・癖の強さが分かる流れ、そして毎回お馴染みの中村まことと増田朋弥演じる不敬コンビがいてね。あれで視聴者のエンジンかけていく感じがあるというか。
(おじさんの「故買屋、もうやめようかな…」って少し弱気な本音に対する若者の「俺、故買屋続ける!」っていう元気な感じ、めちゃくちゃ好きだなになった)
そしていつもの「僕の才能あってこそだが」っていう得意げな露伴で終わると思えば、露伴は故買屋の持つオークションの冊子を見つける──
いつもと同じ流れから違う方向にシフトしていくの上手すぎひんかーーーーーーってここで「ひひひ」って声出た。両サイドに人おらんくてよかった。
朝イチ9時台の映画館、最高


ってこのペースで書いてたら一生終わらんので、あとは箇条書き+‪αでいこうとおもう。


・泉ちゃんってフランス語分かるんだー!
 って顔、露伴もしてましたよね。多分大学で講義とったのかな。あとフランスへの憧れもあって独学で頑張ったんだろうなぁ。普段から露伴の意図を汲んだり、露伴の頭の中のふんわりした構想みたいなのを言語化したりとか、というか露伴の難しいところを上手く躱しつつ漫画を描かせ、うんたらかんたら……。集明社内でも有能オブザイヤー最高金賞受賞してそう。社内表彰とかやるんかな。年度末総会的な。そしたらそこで受賞してそうだし、露伴にも報告して「よかったな(特にそう思ってない)」みたいな反応されてそう


・青年期 露伴 めちゃ 顔 良
や、これは公開前から言ってた事なんですけど、マジの顔面国宝をスクリーンに映すとオタクは死ぬ
長尾謙杜と高橋一生の顔って系統的にはかなり違ってて、だから「青年期の君はどうしてこんなに可愛いんだい🥺」になるんですけど、これ多分あれですね。
回想シーンの導入が「あれは僕が漫画家デビューしたばかりの頃……」って感じで始まったんで、岸辺露伴の「僕の想像する17歳の頃の僕」がね、こんなふうなんじゃないかって。純粋で熱意もあるものの、漫画をどう描いたらいいものか悩んでいる美青年…って自分では思ってるってワケ。
あら〜〜〜〜☺️☺️☺️☺️


・奈々瀬な〜。お前ほんまそんな女やめとけ露伴……になるよ。危うすぎるよその女はさ……って原作読みながら思ってたんで、それをきちんと演じてくださった木村文乃に圧倒的感謝。
 露伴のことを振り回した挙句に、露伴の描いた漫画に自分を描かれてるのを見つけたシーンの焦りようが良かった。なんでや、自分で露伴からの好意を利用しようとしたんちゃうんか。(打ち消し線)
露伴がモジモジってしながら「納得出来る黒じゃないんだけど……」って言った時の反応ヤバない?
自分が黒い絵について話してしまったばっかりに、この青年も"最も黒い色"に取り憑かれてしまったのではないか?かつて仁左衛門がそうなってしまったように。仁左衛門も自分(奈々瀬)の髪色を美しく表現したくて黒の顔料を探し、最後……そしてあんなことに……になったのを目の当たりにしたんだから……。2周目以降、ここのシーンの味が変わります。


そういえば「最も黒い絵ってどこにあるの?」「ルーヴルに」って会話があったけど、時系列的にそれはおかしくて、その会話をした夜あの絵はまだ元旅館の一角にいたはずなんだよな。
恐らくだけど、奈々瀬は絵の運命を共に過ごす存在だから「絵はそろそろキュレーターの手によってルーヴルに行ってしまう」ってのを感知?察知?してたんじゃないか?って思ってるんだけど、どうだろう?


あと、奈々瀬の造形ってかなり「モナ・リザ」に寄せたんじゃなかろうか?髪下ろした時、かなり、それっぽくてよかったので……

 


・フランス語ペラペラ露伴〜〜
「フランス語をネイティブ並に喋れる」って自分に書いたのかな。それとも岸辺露伴って素でフランス語ペラペラなんですかね。
・モブが「ムシュー露伴!ムシュー露伴!シルブプレ!」って話しかけてたのウケた。ジョジョに出てくるモブだったし、原作漫画でも見たあの不敬モブよかったな……


ルーヴル美術館美しすぎ……
これはもう撮影技術ありがとうございます、になりますよね。ルーヴル行ったことない。この先、ちゃんと生きれてたらいつかフランス行こうと思う。


・社会性あって偉い露伴〜〜
泉ちゃんの「『ピンクダークの少年』読んでくださったんですか?」に対して「いえ、書店で表紙を」って返された時の顔見ました!??!
20歳の露伴ならここでブチギレあそばされても仕方ないよ!!泉ちゃんがギョってして一瞬だけ「露伴先生怒っちゃうんじゃ…」的な顔で露伴先生の方見てたもんね。でもね、映画の露伴先生は社会性()があるので、一旦そこは飲み込むんですね。
ルーヴル美術館の東洋美術部門の専門家だもんね。
取材しなきゃだもんね。我慢してえらいぞ露伴


・夜のルーヴル美術館すげー!!!
いいないいないいな!!!!閉館後の暗いルーヴル美術館いいな!!!!!!になっちゃった。
あんなん震えるて。私も行きたい。


・あ!あ!あ!漫画で見た消防士の人!
 この人たち漫画で見たな、になった。


・黒い絵見つけんのかな?って思ってたら、フェルメールの絵を見つける展開、熱かった。
 ここで、モリス・ルグランや、窃盗団について回収してくれて「話が終わっちゃうよお!」になった。冒頭の伏線を回収し始める=物語の終わりが近いのを感じてしまって寂しくなるので。


・辰巳隆之介よかったよな…
高笑いして「素晴らしい推理ですねぇ、露伴先生。あなた、漫画家をやめて探偵にでもなったらどうですか?」とか言い出しそうだったし、言ってもおかしくなかった。書店で表紙だけしか見てないし。
それか「ミステリー作家になったらどうです?」かなあ。ウケる。
言ったらバチギレ露伴先生の"僕は漫画家だパンチ(ヘブンズ・ドアー)"が炸裂するとこだったね(炸裂しません)
書店で表紙だけしか見てないし。


露伴に襲いかかる"罪"
 やーーーーあの、あのですね、4人がさ物凄く絵的にもギャーーーーウワーーーーッてなる"罪"に襲われてたので、どうなるんやろ?とは思ってたんですよ


 仁左衛門 出てきた


 はァ〜〜〜〜〜〜〜〜????
 ってなった
 悪い意味じゃなくて「そうくる!?」みたいな。


 原作を知ってるので「確かに遠縁だが!!!遠縁だが!!!!!!確かに血の繋がりはあるかもだが!!!!!!」みたいな感じだし、私はふとここで完成会見の時のコメントを思い出してた


(回想)


会見の時の高橋一生「長尾(謙杜)さんが撮影を見に来てくださったんですが、僕はその時露伴じゃない扮装をしてて、そのことに集中してたから声掛けてもらった時に長尾さんだって気付かなくって……(意訳)」


(回想終わり)

 


映画館いるわたし「仁左衛門をやったのか?これのことか?や、でも分かんねーな……仁左衛門をやるにしてもこのシーンでやっても高橋一生だって分からんくないか?ヘブンズ・ドアーが効かないタイプの怪異だし、や、でももうこの物語で出てくる高橋一生がやる必要のある露伴以外の扮装って何だ?ってのはずっと考えてたし、考えられる候補がもうこれしかない…………
ってかこんな無茶苦茶な状態の仁左衛門の扮装してて、これに話し掛ける長尾謙杜っていう絵面が想像できなくないか?」


──という盛大なフラグを立てていた(後述)


最後、絶体絶命だ!って時に、奈々瀬が出てきて仁左衛門の亡霊を止めたところ、すごく良かったな
あの時の露伴の顔みました?最高すぎる
初恋の女と有り得ない再会をした時の顔
良すぎ

 


・あと、露伴が指先から黒くなっていく。この表現めっちゃいいなになった。
 原作から+‪αで凄くいい表現出してくる
 視覚的にもヤバさが伝わってくるのが本当にとてもいい。
恐らくあの怪異は過去に遡って先祖代々の罪を引っ張り出して攻撃してくるわけだが、遡るという性質上、引っ張り出した罪の新しい順に襲いかかってるんじゃないかって思うんですね。
半年前のモリス、一年前のピエール、数年〜十数年前のユーゴのおじいちゃんの発狂に巻き込まれた人(?)……100〜200年前の山村仁左衛門……とか……そんなこと考えてた
自我があるかは分からんけど黒い絵の中身くんは「え!こいつ(露伴)、子孫やん!奈々瀬の血筋やん!」とかならんかったんかな。怨念で暴走してたから無理か。


ニコラスの罪はわかんない。あいつだけみんなより一足先に絵を見たから順番に入ってないんかも
でも軍隊とかそういうやつだし、どうなん?わからん


泉ちゃんは強い。
泉ちゃんが強い理由は最後の「綺麗な女の人でしたね」に全部詰め込まれてるとは思う。
描かれた奈々瀬の姿を見た純粋な気持ちが山村仁左衛門を救ったんかもしれん。

 

 

 

 


・奈々瀬 深掘り
 すみませんあの……完全にノーマークでした
 や、確かにあのストーリーの進め方をしていた場合、確かに「奈々瀬って何だったの?」になるんで。やる可能性はあったんですけど。
 まさか、、あの、あのですね、あの、あの、


「あの時は読めなかったからな
──《ヘブンズ・ドアー》」


わたし「!??!!!!??、?!」

 


映画自体がドラマと同じ始まり方したから「次のシーンは露伴が泉ちゃんを家から追い出すお馴染みのシーンでしめて終わるぜ!!!!」って思ってたんですよ。


深掘りするな〜〜〜!!!!
(ありがとうございます)

 


露伴が奈々瀬の記憶の本を開いて、
記憶の中に"入り込む"

 


山村仁左衛門……………………………………

 


や、
あの、
あの、、、

 


山村仁左衛門……………………
(演:高橋一生)

 

 


Z-13倉庫で亡霊の仁左衛門を見て「高橋一生がやってるのか?もしや…」と思っていた数分前の私、「露伴以外の扮装って他の動かないエピソードも含めてそんな要素あったか?」と数週間ほど前から震えていた私、元気ですか?

 

 


──私はもうダメです

 

 


「あなたは、似ている」は確かに顔が!?ってなるけど、多分違うんですね。絵(漫画)に対する探究心だったりの在り方が似てるって意味なんだろうな、そういうところに親しみを感じ、そして救いを見いだし、巻きこむ形になってしまったけどどうにか助けてほしいという願いを抱く奈々瀬──


とか


小さな幸せを噛み締めながら生きる2人……
どうして……
樹液の"黒"に魅入られてしまう仁左衛門
どうして……
絵に囚われてしまう奈々瀬の魂…
どうして……


とか


確かにこの人生なら、若かりし露伴が「黒にこだわり始めた」時に怖くなるの分かる。
黒にこだわり、自分を描き、まだ納得できてないと言い出す…………
だからこそ漫画の原稿用紙の黒のところをハサミでザクザクする……(ちなみにこのシーンの奈々瀬のか細い声での「露伴くん……」がめちゃくちゃ好きですありがとうございました)


とか
そういうこと考えてた


全部に納得がいくんですよね


奈々瀬の過去を深掘りすることで、たぶん何人か「どうしてこんなことに?」って思いながら終わるかもしれなかった青年の露伴の淡い思い出のシーンの色づきが、凄まじいことになるんですよ。
私はなりました。
物語に必要なのはリアリティ、それは説得力ともいう……知らんけど


正直このシーンがなければこんなに重傷になってないと思う。分からんけど。多分そのまま2周目に突っ込んでたかもしれん。
映画館から出て「家に…帰ろう…」になったの、このシーンのせいです(ありがとうございます)


奈々瀬を見る時の露伴の表情が、終始良くて……何だろうね、あの、思い出に浸るような、夢みたいな有り得ないものを目に焼き付けようとする、あの日の憧憬とか慕情が綯い交ぜになったかのような……あの…………うう(泣いてる)

 

 


で!!!!
ラストに「イモリの丸焼きですよ〜♪」って露伴邸に来る泉ちゃんにありがとうオブザイヤーをしました
ドラマと同じ始まり方をして、同じ終わり方をする
ドラマの世界と映画の世界は地続きであると思わせてくれる
本当にありがとうな──

 


めっっっちゃ
よかった


信じてよかった

 


良い話だったな………………………………

 

 

 

 

 

 

 


※ここから夢女子のターン※
※映画の純粋な感想はここまで※
※夢女子の呻きが聞きたいやつだけ進んで※

 

 

 

 

 


やっぱさ、
私さ、油淋鶏作る才能くらいしか勝てんような気がするわ
そもそも同じ土俵にあがったらあかんし、あがれるような人間じゃあないですからね
ゆるせねえよ、なんなんだあの男


思い出には勝てねえ……
勝とうとは思わないけど……


というか大変なんだよ
こんな最高な映画観ちゃったんだもん
こっちも書かなきゃいけなくなってきたじゃん!?
夢小説を──
書く。書きますって。
え!?他の原稿もあるのに!?ってなってるけどさ
書かんと私が満足せんので
またタスク増えたーーーーーーって言いながら書くんだ……待っててフォロワー……最高の夢小説書いてやるからな……

 

 


よく「まだ抵抗してる…」「まだ認めてないのか」などなど言われますけどね、そこは変わってません
岸辺露伴は推しじゃないって言ってんの


岸辺露伴は推しです!!!!!
って!!!!!
言えた方がまだ良かったと思ってるよ!!!!


こっちは


どういうつもりなんですか?って聞いてんの
私をこんなにして楽しいですか?って聞いてんの
い゛ーーーーー💢

 


終わりです終わり
私の人生この映画見れてよかったに集約されてるけど
この映画見た衝撃のまま死ぬよりも衝撃のまま何かを描きたいのかもしれない
でもこんな最高映画観たら正直筆止まるて
こんなにしやがって……
ゆるせねえよ、岸辺露伴…………

 

 

 

 

 

 


うるさいな💢
岸辺露伴のこと大好きだよ💢
そういえば満足ですか!!!
これが顧客が本当に求めていたものですか!!!

 

 

 

 

 


はぁーーーぁ

 

 

 

 

 

 

 

 


岸辺露伴の葬式の喪主やりたいから
やっぱ岸辺露伴と結婚するしかねえわ

 

 

 

 

 


ご清聴 ありがとうございました

 


p.s. 下書きに眠らせたままで置いてた
 ようやく出す決心が着きました
 遅くなってごめんね